【インタビュー】Misia Ff(ミシャ・エフエフ)


Witam!!

Paulaです☆
今日はポーランドでおこなってきたポーランドのアーティストインタビュー第5弾をUPします。わたしも大好きなシンガー・ソングライター、Misia Ff(ミシャ・エフエフ)とカフェに座って、ソロプロジェクトのことやバンドのことなどなど聞いてきました♪
ではどうぞ!

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昨年末にソロデビューとなる「Epka」をリリースしたところだけど、反応はどう?

今のところレビューはとても良いわ。リリースしてから1週間ほどしか経っていないから、まだそんなに多くは出ていないけれど、“Polityk(ポリティク)誌や、ほかのいくつかの新聞に出ているのを見たから、最高だわ。インターネットでもブログに最初のCDレビューが出始めているわね。本当のところ、唯一悪く書かれているとすれば、EPが短すぎるってことだから、これからフルアルバムを作ることへの良いサインだと思う。



どのようにソロプロジェクトが始まったの? 前から計画していたの?

「Epka」に入っている曲はみな共作だったり、デュエットだったり、もうだいぶ前からある曲よ。でもバンドTres.B(トレ・ベー)がわたしの中心的な活動だったから、いつもバンドが最優先だった。ほかのことはすべて後回しになっていたけど、バンドが1年間活動停止することになって、みな自由に自分のやりたいことをやっていい機会ができたので、わたしは自分の曲に取り組み、レコーディングしてリリースしたというわけ。だから、決して前からソロでなにかリリースするのを計画していたわけじゃないのよ。むしろ逆で、この状況がそういう結果をもたらしたという感じね。


なぜ最初からフルアルバムを作らなかったの?

既にたくさんの手をつけているラフがあって、1枚のアルバムを作るにはもっとたくさんの時間が必要だったの。でも「Epka」もバンドとは違う内容で、わたしを表現する形なのよ。だからこれは完全にわたしだけの著作物というのとは違うの。もっと“他のアーティストとわたし”という意味合いね。アルバムは、もっと確実に“わたし”を表現するものになるから、より重要よ。


「Epka」には英語とポーランド語の歌が入っているよね。あなたにとって曲作りのときに言語の違いってある?

確実に、とても大きな違いがあるわ。英語で書くときは、よりフィクションぽく、物語があり、原因と結果がある感じで作るの。一方ポーランド語で書くときは、もっと言葉で遊んでいて、より詩的でリズミカルなのよ。言語としてまったく違うものだから、その違いも間違いなくとても大きいわ。


「Epka」を聴いていると90年代っぽいな、って個人的には感じたよ。

笑! そんなつもりはなかったし、特定の時代を狙ってもいなかったわ。どの曲もわたしにとっては、それぞれまったく違う物語を持っているの。それぞれ違う時期や場所に属しているのよ。だから狙ったわけじゃないけど、90年代育ちだから、もしかしたらわたしのどこかに90年代らしさがあるのかもね。笑


Tres.B(トレ・ベー)のメンバー抜きでの作曲作業はどうだった?

「Epka」に入っている曲のほとんどは、わたしが作曲したものではないの。だから一番の挑戦だったのは「Kartonem(ダンボール)」ね。この曲は完全にわたしが書いたもので、実際にこの10年で初めてバンドメンバー抜きで曲を仕上げなければいけなかったから。もちろん、アレンジは素晴らしいプロデューサーであるレシェク・ビオリクと行ったけど、この曲は生で作曲するというより、PCでの作曲作業だったのよ。この何年か、バンドではセッションのときにお互い何かラフを出し合って、生楽器を使いながら作曲していた。だから、今回のレシェクとのスタジオでの曲作りは挑戦だったわ。「Kartonem(ダンボール)」は間違いなく生演奏するには一番難しい曲だったけど、昨日リハをやったときは、一番重要な音を演奏するようにしてみたらOKだったわ。



リードシングル「Mózg(脳みそ)」は素敵なポップソングだよね。この曲のバックグラウンドを教えて。

この曲はリカルダ・パラソルとの共作なの。リカルダ・パラソルはサンフランシスコ出身のシンガー・ソングライターよ。彼女がポーランドに来たとき、一緒にLIVEをやったの。「Otwarta Scena(オープン・ステージ)」というプロジェクトのために生セッションしたのよ。まさに、わたしのアルバムのプロデューサーで、バンドでもベースを弾いているレシェク・ビオリクが、このプロジェクトの責任者なの。とにかくリカルダからこの曲のオリジナルデモをもらったとき、レシェクとポーランド語の歌詞を考え始めたわ。そしたらポーランド語の詩はまったく違うリズムを持っていることが判明したの。それはすべて歌のリフレインに反映されているわ。リズムが違うから、ドラムのアレンジを完全に変える必要があったし、後には他のパートも変えなければならなかった。だから、アレンジはポーランド語の歌詞から生じたものなの。おもしろい実験だったわ。

 Rebeka(レベカ)のバルテク・シュチェスネとの仕事はどうだった?いいリミックスだね。

バルテクは大好き。もう古くから知っているの。リミックスをやる時間があって、彼がこの曲を感じてくれて、とても嬉しいわ。アレンジのとき遠慮していたのを知っているけど、わたしはこのリミックスとても気に入っているわ。彼はとっても有能な人だし、「Epka」にバルテクのリミックスを入れることができて、満足しているわ。


ベースがヘビーだけど、メロディーは明るくて、「Pie In The Sky」という曲が大好き。

これはオランダのマーストリヒトのThe Mad Tristというバンドの曲なの。彼らはわたしたちの仲がいい友達で、一緒にリハをやったり、フェスに出演したり、のちには同じマネージャーを持っていたりしていたぐらいよ。彼らはヘビーでディストーションされたギターサウンドみたいなバンドで、一方わたしたち、Tres.B(トレ・ベー)はもっとメランコリックで、蝶々型のベースを弾く女の子がいるようなバンド。わたしもギターサウンドは好きだから、彼らのプレイが好きだったんだけど、こんなに長く知っているのに、一緒に何かやるって話になったことはなかった。たしか2月くらいに彼らが最新アルバムをリリースした頃、ちょうどオランダのフェスで一緒になったの。最新曲を聴いて、すごく気に入ったわ。それで、わたしと違うバージョンをレコーディングしようって提案したのよ。新バージョンは、彼らのiTunesでのB面にボーナストラックとして入ることに、そしてわたしの「Epka」の収録曲に入ることに決まったのよ。



あなたが最初に音楽を始めたときのことを話してくれる?

6歳のとき音楽学校に通い始めたわ。でも意欲を起こさせてくれないような、失望的な学校で、嫌いだった。ピアノと音律学のレッスンはとても好きだったけど、他のレッスンにはいい思い出はないわ。一番たくさん勉強したのは家で。父がアコーディオンを弾いて、わたしがそれを耳コピするというのをよくやっていたの。それから10歳のときに、“仕方ない、ミュージシャンにはならない”と思って、その学校は辞めてしまったわ。でも10年後にインターネットで、デンマークの音楽学校での音楽コースを見つけて、また挑戦することにしたの。結局音楽から離れられなかった。人生で一番大事なステップだったわ。それがきっかけでデンマークへ行き、Tres.B(トレ・ベー)のメンバーたちに出会えたから。一人はギターを弾き、もう一人はドラム担当だったから、彼らはこう言ったの。「じゃあ両手が空いているんなら、ベースを弾くんだな」ベースなんてまったく弾けなかったから、「そんなの無理、ギターも弾いたことないのに」って答えたわ。でも少しずつ弾き始めた。一番大事だったのはメンタル面での変化だった。実際に、あそこの人たちは皆、やって来て、楽器を手にして、それを感じることができたら、そのまま演奏するような人たちなの。音楽学校の卒業証書を持っていない人はミュージシャンじゃないからプレイできなくて、持っている人だけが弾く、とかじゃないのよ。音楽的才能があるかないか、なの。だから、わたしも音楽をやっていいんだって考え直したわ。デンマークへ行く前から既に、音楽から頭が離れなくなっていて、家でたくさん曲を書いていたしね。たぶんまだネット上にその頃作ったEPが上がっているんじゃないかしら。すごくローファイだけど、全部自分でレコーディングして、プロデュースもしたわ。そうやって既に自分で学び始めていたのよね。それってもう12、3年前のことだから、その頃からもう自分の音楽活動にはなにかあるって分かっていた。だから勇気を出して、デンマークへ引っ越し、コースを受けるという決断をして、本当に良かったと思ってる。そのおかげで、考え方を変えることができ、音楽学校を卒業していなくても音楽をやっていいんだ、と信じることができたから。


あなたの蝶々型のベース、すごく可愛い。どこかで買ったの?

そうなの。注文して作ったわけじゃなくて、買ったのよ。子どもや女の子向けの楽器を作るアメリカのブランドがあるの。いろんな色や、ハート形とか花の形の楽器があるのよ。大体は子どもっぽいんだけど、あの蝶々型はなんだかわたしに合っていたの。インターネットで見つけて買った。届くのに半年もかかったから、新品を買ったのに、届く頃にはヴィンテージになってるって冗談を言ってたわ!笑 でもずっとそのベースを持っているし大好きよ。一昨日メンテナンスもしたから、まだこの先もプレイできるといいなと思ってる。


インターナショナルに活動する予定は?今のところはポーランドだけ?

どうなるかしら。ポーランドには本格的な海外向けの事務所はないけど、ポーランドでもインターナショナルに活動が出来るようになる時期が来ているように感じるわ。アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートは、アーティストを海外のショーケースに送ってくれるし、海外のフェスのオーガナイザーたちとのネットワークも広げている。わたしは海外でも活動したいと思っているわ。デンマークやオランダに住んでいたから、ネットワークや友達もあるし、イギリスや他の国にもつながりはあるの。取り組んでみなくちゃね。まずはアルバム制作から始めるわ。笑


日本に来たことはある?

一度もないわ。


日本について気に入っているものや、日本にまつわる思い出はある?

とてもシンプルな連想なんだけど、まず最初に映画「ロスト・イン・トランスレーション」を思い出したわ。からかうような意味合いでは決してないわよ。ただ考えてみると、ワルシャワやほかのヨーロッパの街と、東京の街の巨大さを比べると、とても比べものにならないよね。もっとずっと巨大で、どこを見たらいいか分からなくなっちゃうわ。だから、行ってみたいけど、一人旅とか、誰か訪ねる人もなしに行くのは無理ね。行って2時間後には、どうしたらいいか分からなくなって発狂しちゃうかもしれないもの。だから、日本は巨大な建物のイメージがするわ、歴史的なという意味じゃなくて、最先端のという意味で。


日本に来たら訪ねてみたい場所ややってみたいことは?

できることなら、なんでも。一度も行ったことがないから、すべてに興味があるわ。是非美術館に行きたいわ。それから人々の暮らしが見たいから、誰かの家を訪ねたい。


ラジオ番組を持っているよね。どうやって曲を選んでいるの?

実際のところ、リリースされたばかりの曲をかけるようにしているわ。リスナーが最新のものをオンタイムで聴けるようにね。誰かのコンサートがあったり、アーティストをゲストに呼んだりする時には、テーマを決めてかけることもあるわ。 ゲストがお気に入りの曲を持ち込むこともあるし。音楽番組だけど、いつも2時間目には音楽にまつわる議題でディスカッションしたりもするから、その関係でかける曲もあるわね。でも必ずしもわたしが好きな曲をかけているわけではないの。ジャーナリストの役割は人々の生活を楽にするような情報を提供することだと考えている。その場合、大事なのは情報と主張を一緒に提供しないこと。でも音楽ジャーナリズムにおいても、とても主観的な世界であるけれど、曲を流して、「わたしはあまり好きじゃないけど、多くの人はきっと気に入るかもしれないから、聴いてみて」と言うことはできるわ。


近い将来の予定は?

今日はウッチにLIVEをしに行くわ!笑 12月にはワルシャワでプロモツアーがあって、ジェロナ・グラやトルンでもライブするわ。Tres.B(トレ・ベー)でのLIVEもまだポーランドとドイツであるの。来年(2014)も何かしらミニツアーをやると思うけど、アルバム制作のためにあたためているアイデアを 形にして仕上げたいと思うわ。


Tres.B(トレ・ベー)とはどうなるの?

Tres.B(トレ・ベー)は2014年の1年活動を停止するの。今年の残りのLIVEが終わったら、来年はお休みで、2014年の終わり頃に会って今後のことを決めるわ。もし何かやりたい、というエネルギーが皆にあれば活動するけど、もしそう感じられなかったら、無理やり活動するのって無意味だと思う。わたしたちはとても素晴らしいCD「40 Winks of Courage」をリリースした後なの。大好きなアルバムだし、妥協しなかったから、わたしもあとの2人も100%祝福できる。無理に活動を再開して、あとで誰も満足しないような作品を作るよりは、そんな素晴らしいCDで活動を終える方がいいと思う。こうも少し感じるわ、立ち上がり、出て行くときを知るべきだって。無理やりじゃなくてね。でもそのためにこの1年があって、それぞれ自分のやりたかったことをやったり、エネルギーを回復したりする自由な時間があるのよ。もしかしたら、まったく新しいエネルギーを得て、また一緒に活動したいって思うかもしれないわ。どうなるかみてみましょう。


無人島に3枚CDを持って行くとしたら?

わたしはノンストップで音楽を聴くから、すごく難しいわ!概してアルバムに関係なく、別々に曲単体で聴くことが多いの。でも何枚か1枚を通して聴くアルバムもあるわ。3枚のうち1枚はPJハーヴェイね、それもたぶん「Is This Desire」。あとザ・ナショナルの「High Violet」。それから最近LIVEを見たし、大好きなバンドだから、ローカル・ネイティブズの「Gorilla Manor」を選ぶわ。




ありがとうございました!
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ちなみに☆
こちらで2曲Misia Ff(ミシャ・エフエフ)の歌詞を訳してますので、チェックしてね♪

Mózg(脳みそ) by Misia Ff(ミシャ・エフエフ)

Kartonem(ダンボール) by Misia Ff(ミシャ・エフエフ)


最後まで読んでくださってありがとうございます♪
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