【インタビュー】Duże Pe(ドゥージェ・ペ)


Witam!

Paulaですこんにちは!
今日はですね、4月に来日し、5回のDJセットを東京と大阪で披露してくれたDuże Pe(ドゥージェ・ペ)のインタビューをお届けします。ワルシャワを中心に、DJ、MC、オーガナイザー、ラジオDJなどさまざまな活動を行っている彼。そのエネルギーの源を探ってみました。

ポーランド語版インタビューはこちらから。

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fot. IKA / I-N-I.PL
日本に来るのは初めて?

そうなんだ!ソロや、自分のユニット、DJグループとしては既にさまざまな国でプレイしてきた。インド、アフガニスタン、ベルギー、韓国、フランス、ドイツ、スイス。他にも十数カ国 でプレイしてるけど、日本は初めてだよ。


第一印象はどう?

まだ着いたばかりだけど、第一印象は最高だよ。いい意味で圧倒的。ちょっと『ブレード・ランナー』とか『ゴースト・イン・ザ・シェル』の中にいるみたいな気分だよ(笑)。すべてが強烈で、大きくて、速くて、騒々しくて、そして魅力的だ!それに、文字通り一歩進むごとに、美味しい食べ物に出会えるんだ。食べるのが大好きな人間にとってはまさに天国だよ!それに加えて、ここで出会った人々はすごく親切で優しいね。街を歩いていて、とても安全って感じる。一言で表わすなら、素晴らしいよ!


日本には2週間いるんだよね。どこを観光するの?

最初に言わなければならないのは、僕らの観光スタイルは普通じゃないんだ。混沌としてて、自然発生的で、運命的なんだよ(笑)。つまり、街の片隅で楽しく迷子になるのが好きなんだ。例えば、ガイドブックを見ながら一つひとつ歴史的建造物を見るより、歩きながらかっこいいストリートアートに出会う方がいいってこと。そういう観光スタイルの方が、街の本当の姿を吸収できて、観光客がたくさん集まるような場所や、観光用に作られた場所を避けることができる。東京は巨大だから、数日滞在する予定だけど、今ステイしている渋谷や新宿近辺を回るだけにするよ。その後、何日か大阪に行って、そこからちょっと京都へ行ったり、神戸や淡路島にも行くかもしれない。そんな感じかな。


どういう経緯で日本に来てDJすることになったの?

ここへ来る数ヶ月前、マサラ・サウンドシステムのトルコや中欧ツアーといった面白い国際的なプロジェクトをいくつか実現したんだけど、少しハードだった。どこかに旅して、体を休め、頭をリセットする必要を感じていた。その時日本行きチケットが安くなっていて、いつも日本には行ってみたかったから、ここに決めたのさ!最初は観光と休息のためのつもりだったけど、でもせっかく世界の反対側に行くんだから、何かやりたいなと。そこで、僕がやっているようなワールドミュージック的なパーティーをやっている日本のオーガナイザーを探して連絡を取ってみた。僕のDJミックスも参考に送ってね。嬉しいことに、そのうち何人かから好意的な返事をもらえたんだ。JAPONICUSの小宮山ショーゴさんと、大阪のRojo Regaloの中島ピコさんからね。ショーゴは東村山のShank CB 200というパーティーのオーガナイザーとも連絡を取ってくれた。それと同時にマネージャーのシルビアがポーランド文化広報センターと連絡を取って、彼らも手助けしてくれて(感謝しています!)、さらに2つパーティーに出演することになった。結果として14日の間に5回DJをやることになったんだ。これってすごいことだから、ものすごく嬉しいよ。数年前なら、東京に来てDJするなんて夢にも思わなかったからね。





 MC、DJ、ラジオDJに、シルビアと共同でパーティーオーガナイズ。すごくアクティブに活動してるよね。

ただ単に退屈するのが嫌いなだけだよ!真面目な話、プロジェクトを始める時って、何か新しいことを試したい、新しい表現方法を見つけたい、面白いことに挑戦できる新境地を探したいという思いから始まるんだ。だけど、今自分がやっていることすべてがこうしてダイナミックに発展していくとは予想していなかったよ。それに、そのすべてに大きな喜びを感じているから、どれかひとつ諦めろと言われたらつらいな…。


どこからそんなに意欲とモチベーションが湧いてくるの?

フランスの「Obelix」って漫画みたいに、子供の頃に魔法の飲み物が入った大釜に落っこちたんだ(笑)。挑戦するのが好きだし、何かしら問題に取り組むことや、人々が問題を忘れて踊り遊ぶ場を作ること、自分が見たり感じたりすることをライムにのせて語ることもすべて好きだ。僕にとってはそれらすべてが、セラピーであり、理想とは程遠い現実世界との戦いでもある。自分から感情を吐き出して、リスナーに少しの喜びを与える。すると、リスナーからポジティブなエネルギーが返ってくるんだよ。


今現在は何に一番集中してる?

僕の場合、ひとつのことに集中しているというのは難しいな。大抵の場合、2、時間の間に新しいライムを書き、次のイベントでかける新曲をチェックし、メールの返信をし、プロモ素材を送信し、ラジオ番組の準備をしては、オーガナイザーたちからの電話に応えるといった感じだから。すべてが同時進行なんだよ。MCとしての活動について言えば、今はマサラ・サウンドシステムのニューアルバムに集中してるよ。DJとしての活動について言えば、 世界中の民族音楽やオルタナティブなダンスミュージック、ワールドミュージックを提供できるようなパーティーをやろうとしてる。それに加えて、ラジオCzwórka(チュフルカ)で毎週の土日に「CZWARTA FALA 」という音楽番組をやっているよ。


音楽を最初に始めた時のことを教えてくれる?

すごく昔のことだよ。1996年に高校に入った頃、ライムを作り始めた。僕は頑固で何でも一番になりたいタイプだから、ステージに出て人前でラップする前に4年間、一生懸命練習した。2000年、つまり15年前に初めてステージに出てみたら、観衆はとても好意的な反応だった。その時思ったんだ。これを続けていけたらいいなって。それにもっと上手くやれるっていう自信もあった。少しずつ他のユニットにも参加して、2005年にはワルシャワのクラブでDJをするように頼まれるようになった。まるで雪だるま形式でどんどん膨らんでいったんだ。時々、離脱することもあるけど、全体的にはその形や方向性は変わってない。大人になってから自分がしていることはすべて音楽に関わっていることだし、これからもそうだといいなと思ってるよ。

fot. IKA / I-N-I.PL

直近の予定を教えてくれる?

日本から戻ったら、ワールドミュージックのフェスティバルでマサラ・サウンドシステムのライブがいくつかあるよ。マサラの新しいEPも発表する。もしかしたら夏休み前にソロ曲のEPも発表できるかも?夏の間は、10月か11月に出る予定のマサラのフルアルバムを制作するよ。それに加えて、シルビアが設立・運営しているNGO「Fundacja Planet」の活動として国内外のアートプロジェクトもやりたいね。


パーティーの話だけど、どのようにして自分のDJスタイルに辿りついたの?

とても多様なスタイルだよね。2003年にMCとしてマサラ・サウンドシステムのデビュー作に1曲参加したんだ。その曲「Od Tarnobrzegu Po Bangladesz(タルノブジェグからバングラデシュまで)」が皆に好評で、最初のプロモシングルとなり、大人気となった。そして僕はマサラの一員となったんだ。マサラ・サウンドシステムはライブもやるし、パーティーもオーガナイズする。そのパーティーでよく仲間のDJを少し代わることがあって、彼のレコードからインドやバルカンなどの多様な音楽をかけたりしてた。そのうち自分でもそういった曲を探すようになって、マサラのパーティーにもMCとしてだけでなくDJとして出演するようになった。同時にその頃、マッシュアップに夢中になっていたんだ。ラジオでもよくかけていたし、マッシュアップのイベントも始めた。マサラのパーティーも僕のマッシュアップのパーティーも、ジャンルがクロスオーバーしていて、それが僕のDJスタイルに影響したかなと。ひとつの曲を、まったく雰囲気の違う別の曲と掛け合わせることを恐れてないから。マサラのパーティーのおかげで、現代的なワールドミュージックが大好きになり、マッシュアップ・パーティーのおかげで、さまざまな種類のremixや編集を愛するようになった。そのすべてが僕のDJスタイルに集結されているよ。


世界中でプレイしてきているよね。それぞれの国で観客の反応って違う?

楽しんではいるけど、それを内側に留めて表に感情は出さないような国もあるし、シャツを脱いだり、歌ったり、叫んだり、ジャンプしたり、とにかくクレイジーな反応を見せる国もある。ルールはないよ。どんな反応であろうと、僕がやっていることを聴きに来てくれる人に敬意を払っている。感情を出さない人であろうと、騒ぐ人であろうと、観客には変わりないし、来てくれた人たちのためにプレイしたい。それぞれ国によって違う文化があるし、それは敬意を払うべきだと思う。




アーティストとして一番大事にしていることは?

やりたいと思うことをやれること、つまり完全な自立性かな。特に僕は、最初からマネージメントやレーベルの件すべてを自分で管理してきたからね。最初はひとりで、途中からはシルビアと一緒にね。おかげでレーベルの誰かが、今はこれが売れるからこういう音楽を作れ、なんて言ってくることはない。どんなテーマの曲を作れ、とかパーティーでかける音楽を強制してくる人はいないんだ。僕はさまざまな活動を行っているから、収入源もひとつじゃない。だから、自分が作る曲や、パーティーでかける曲が商業的でなければ、という圧力を感じることもないんだ。自分の活動はすべて、自分のため、自分の創作し表現する喜びのためにやってる。もちろん人々に気に入ってもらえて、エネルギーを返してもらえたら、喜びはもっと大きいけれど、僕にとってはそれが基盤ではないんだ。


日本のリスナーに一言お願いします。

遠く遠く、7つの山と7つの森を越えたところに、ポーランドという不思議な国があります。そこでは、多くの人がなかなか面白い音楽をやっています。なので、SoundcloudやYouTube、Facebookなどで検索してみてください。もしくは、ポーランドから来た人に音楽の話を聞いてみてください。きっといい意味で驚くことになるでしょう。もしかしたら悪い意味でびっくりするかもしれないけど、とにかく何かしらの驚きを感じることでしょう(笑)。


無人島に3枚のCDを持って行くとしたら?

(笑)なんて難しい質問なんだ。恐ろしいね。だけど、最後にいつCDを最初から最後まで通して聴いたか覚えてないよ。日々、新しい曲がたくさん出てきて、僕はたくさんのジャンルに興味があるから、そのすべてを聴くことさえ難しいんだ。ましてやアルバムなんてね。でも挑戦してみよう。間違いなくアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのライブアルバムをどれか持っていくよ。それから、コイ・デヴィジョンのアルバムどれかと、ボブ・マーリーのアルバムをどれか。それから、ザ・スミスとアウトキャスト。RJD2のアルバムに、U.N.K.L.Eの1stアルバム。ちょっと待って、何枚だったっけ(笑)?

fot. James Losey


どうもありがとうございました!

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